ミリオンラバー
「なんだよ。坂梨。それこそ何の根拠もないじゃん。何でそう言い切れんの?」

どうして?

何で分かってくれないの?

柚羽は目に浮かぶ涙を必死にこらえた。

「分かるよ。小暮君は優しい人だもん。見た目怖いし、口も悪いけど、優しい人だもん」

我慢していた涙が思わずこぼれた。

どうして分かってくれないのだろうか。

柚羽はやり切れない気持ちになった。

「小暮君はそんなことしない!絶対しない!」



「…もういいから…」

小さな声で小暮が言った。

「別に疑われるなんてなれてるし」

諦めたような口調で小暮は言った。

理解されることも

理解することも諦めた表情。

「何それ?慣れてるってなんなの?小暮君がそうやって諦めるから…。
諦めないでよ…ここで諦めないで…自分の気持ちちゃんと言って…!
疑われて悲しいんでしょ?悔しいんでしょ?
私は…私は悔しい……」

悔しい。口に出すとその気持ちが沸々と沸いてきた。

どうにかして小暮に学校に来てほしかった。

クラスに馴染んで欲しかった。

その願いは叶うことはないのだろうか。

ただ涙を流すことしかできない自分自身も柚羽は悔しかった。
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