ミリオンラバー
「ルリ子ちゃん全然やる気ないんだから」

担任ルリ子を見て真理が言った。ルリ子は窓際の席に座り携帯をいじっていた。

教師としてあるまじき姿である。

「文化祭かぁ。真理ちゃん何やりたい?」

「何でもいけど面倒くさくないもの」

「へー私は何かな~」

「おーいそこの二人!ちゃんと話に参加しろよ」

おしゃべりしていた真理と柚羽に声をかけたのは、担任の変わりに教壇に立った委員長の小手川だった。

「あ、ごめーん」

「ちなみに二人は何やりたい?」

「真理ちゃんはめんどくさくないものだって」

「何だそれ」

温和に話し合いが進んでいたとき、ガラッと教室の扉が開いた。

見るとそこには口の端から血を流し、ブラウスのボタンが引きちぎられ、つい今しがたけんかをしてきました、という風貌の小暮明人いた。

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