姫はワケあり黒猫様




「それでは、僕達は失礼させていただきます」



『え?もう?』




暫く喋っていたが、南美さんのそんな一言で終わりになった。




「一応、メンバーが倉庫に残ってるので」





困ったように苦笑する南美さんに申し訳なくなって『すみません、』と呟いた。




「いえいえ。



お話できてよかったです」





ニコリと微笑む南美さんはやっぱり紳士だ。




てか、モテそう。






「わざわざすまなかった」





「いえいえ。



何度も何度も言わせないで下さい。怒りますよ?」





クスクスと笑う南美さんは、絶対怒らないと思う。うむ。





「那琉さんもまたなぁ」




ウィンクしながら寛人さんの肩に腕を回す鉄平さん。




寛人さんは鬱陶しそうに顔を歪めるけど、振り払おうとはしなかった。





希一さんも笑って「また今度」と言ってくれた。






『またね!』




手を振ると皆も笑顔で振り返してくれた。








南美さん達は仲間の元へ帰っていった。










……また会えるといいなぁ。





楽しい人達だった。






ワクワクする胸を抑えきれずウズウズとしていたら玲が頭を撫でながら「落ち着け」と苦笑しながら言った。






「今度は夏の暴走かなぁー」




紅羅が明るく呟いて、それに遠矢が頷いた。



優と響も笑いながらそうだなーと呟きながら空(くう)を見つめた。





『夏休みかぁ!




楽しみだね!』






そう言うと夕季と佳祐も笑って。









また、皆で笑いあった。











傘下の皆はいい人達だった。







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