姫はワケあり黒猫様




「あーっ今日も一日頑張ろーー!」



「うるせぇよバカ」




「いつもいつも騒ぎやがって」





3人で戯れてる紅羅、響、夕季を呆れた様に微笑ましく見てる玲と遠矢2人。






私と優は皆から少し距離を空けて校舎に向かって2人で歩いた。





………なんだか、2人ってあんまりないから…



妙に違和感を感じて首を掻くと優は静かに口を開いた。





「…………無理か?」




ピタリと手を止めて口を噤む。





…………やっぱり、その話だよね。




『…うん、そうだね』




少し笑ってそう言うと優は膨れっ面で私を見た。




「………那琉、成音さん連れて来たら?」





『…はぁ?』





いっしゅんフリーズしたが、すぐに言葉を理解して間抜けな声を出してしまった。




『無理でしょ』




軽く、なるべく明るく笑うと優はハッとしたように目を開いてすぐに逸らした。





「………なるべく、来れるといいな」






これも、全部優の優しさだってわかってる。





だから…





『………ありがとう』







苦しいんだ。









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