あなたが教えてくれた世界



「ふむ。しかし、かなりの危険が伴うのだが、それでも平気なのか?」


「わかっています。それに、騎士って言うのは依頼を選り好みできる立場じゃないでしょう」


彼はまた口を開こうとしたが、イグナスの目を見てそれをやめた。


そこには、堂々と自信に満ちた決意の光がある。


「……わかった。クロース、お前はどうだ?」


カルロも即答した。


「俺も受けますよ。前回ので無茶ぶりには慣れてるし。それに貴族の令嬢ってきっと美人ですよね」


その軽口を聞いた二人は間の抜けた息をついた。しかし、その軽口も彼の自信から来ている事を十分わかっている。


カルロは続けた。


「俺、自分の実力ってのを知りたいんです。だから良い機会かなって思うし。覚悟は出来てますよ」


レオドルは二人の少年の自信にやれやれと舌を巻き、言った。


「わかった。依頼人の方には、私からその意を伝えておく。出発日時はまだ未定だが、荷造りなどはしていた方がよいぞ」


二人は踵を揃え、背筋を伸ばして言った。


「はっ!!」






     *   *   *






「……と言うわけで、例の騎士に彼ら二人が決定した」


レオドルから渡された入学の時のイグナスとカルロの写真をまじまじと見つめながら、フレグリオは言った。


「……二人ともまだ子供じゃないか。それに学生だろう?本当に頼りになるのか?」


「あのな、彼らは稀に見る希代の逸材だぞ。学生にしておくのが勿体ないほどだ。そこら辺の貴族出の奴らよりよっぽど強い」



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