bloody mary
どちらも目を逸らさぬまま。
見つめあってどれくらい経っただろう。
部屋に朝の光が満ちていく。
逆光で菜々の表情が読みにくくなる寸前、彼女は微笑みを見せた。
あどけない少女と妖艶な女が混在する、蠱惑的な微笑みを。
「そうだろうと、思ってました。」
…
ハイ?
色んな意味でマリーは固まった。
ナンスカ?その顔。
なんか、動悸・息切れに見舞われてンだケド?
てか、ナンスカ?
そーだろーと思ってたって。
このコ、知ってたの?
俺が親父を殺してきたコト。
ナンデ知ってンの?
「…ナンデ?」
もう、冷静沈着とか無表情とか言ってられマセンヨネ。
ワカリマス。
マリーは彼史上初の間抜け面で菜々に訊ねた。
「だって…
アンジェラさんはずっと寝言で私に謝ってて…
どうしてだろって思ってたら、帰ってきたマリーさんからはタバコの匂いがするし…
だから、きっと、そうなんだろうなって…」
菜々は、笑う。