月灯りに照らされて
クリスマスが終わると、あっという間に、年末を迎え、そしてすぐに
新年を迎える。

薫は、年末・年始、実家での行事がある為、マンションには帰って
来れない為、翠は、一人、寂しくアパートで過ごした。

ただ、薫は、ちょっとした時間で、メールをくれたり、夜は必ず
電話をかけてくれた。

翠が、前に「薫の声が聞けないと眠れない」と、言ったのを覚えていて
あれから、必ず、マンションに帰って来れない時は、電話をくれた。

終いには、目覚まし時計で、声を吹き込むタイプの時計を買ってきて

「俺がいない時は、これで起きろ!」と、自分の声を録音した
目覚まし時計をくれた・・・。

その録音された声が、また薫らしく

「起きろ!翠。起きないと、襲うぞ!翠、愛してる!」と、
吹き込まれていた・・・・。

こんな恥ずかしいもの使えるか!と、思った翠だったが、

「薫、ありがとう。」とだけ言っておいた・・・。

薫が、年を明けて、マンションに戻って来たのが、4日で、
その日に、やっと二人で初詣に出かけた。

パンパン、『どうぞ、薫が幸せでありますように』と、お願いした。

そして、『もう少し、私に薫の時間を下さい』と・・・・・・。

そんな思いを胸に、二人でその日は、お正月をやり直した・・・。
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