月灯りに照らされて
大晦日には、蓮も帰って来た。

「お疲れ」と、部屋に蓮が入って来た。実は、蓮が翠に会ってから、
一度も俺達は、会っていない・・・・。

俺が忙しいのと、蓮が今ハリウッドへ行っている為、会う機会が
なかったのだ・・・。

「お疲れ、ハリウッドは、どうだ?」

「あー、まぁー頑張るだけだな!ところで、まだ続いてるのか?」

「あー、ちゃんと上手くいってる。」

「そっか・・・・でも、お前、これから先、どうするんだ?」

「今は、考えないようにしている・・・・。それより、蓮、お前、
 本当に、ダメなのか?精密検査受けてみたのか?」

「否、詳しくは受けてない・・・・」

「だったら、受けてくれないか・・・・頼む」

「受けてもいいが、俺は政治家にはならんぞ!」

「それでもいい。正直、結婚は仕方ないにせよ、子供は、
 俺の子は、翠以外に産んで欲しくないんだ・・・・。
 たとえ翠と、一緒になれなくても、翠以外は考えられん・・・」

「薫、お前、本当に好きなんだな・・・・」

「好きとかの次元じゃないんだ!愛しているし、誰にも渡したくない。
 誰にも、触らせたくないんだ・・・・」

「・・・・解った。精密検査を受けるよ!丁度今、アメリカにいるから
 その間に受けてみるよ。」

「頼む・・・・」

そう、なぜ長男である蓮が、親父のあとを継がなかったのは
蓮には、子種がないのだ。

親父達は、かなりショックを受けた。俺もショックだった・・・・
本当なら、蓮が後を継いで、俺が家を出て行くつもりだったのが
蓮に子種がないのが、大学の時に解り、そのせいで俺が橘をつぐ
ことになったのだ・・・・。


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