エリート外科医の甘い独占愛

卓志の結婚が正式に決まって、この部屋に泊まることがなくなってから、何年も置きっ放しだった医学書や、書類や、スペアの聴診器もすべて自分のマンションに持ち帰ってしまった。

私だけが置き去りにされた。

連れて行ってはもらえなかった。

どうせなら、寂しさも、不安も、嫉妬もすべて持って行ってくれたらよかったのに。


「ねえ、卓志。今すぐ会いたいよ」




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