エリート外科医の甘い独占愛
「……だめだよ」
「だめ?本当は、少しも駄目だなんて思ってないくせに」
そう耳元で囁くと、熱い舌でその輪郭をなぞった。
ゾワリと甘い痺れが全身を駆け抜けると、私は堪えきれずに声を漏らした。
「――ん、卓志、はやく抱いて」
卓志はすぐさま私を抱きかかえ、ベッドの上まで運んでいく。
電気を消す余裕すらなく、ネクタイをほどく時間すらもどかしい。
理性を失ったように私の中で、ひたすら律動を繰り返す卓志が、たまらなく愛おしいと思った。
私達は、限られた時間を惜しむように、何度も何度も体を重ねた。
幸せな時間はどうして瞬く間に過ぎていくんだろうか。
重ねられた唇が離れた時には、どうしようもなく切なくなる。