エリート外科医の甘い独占愛
「もう帰るの?」
「ああ」
1人ベッドを抜け出してワイシャツに袖を通す卓志を私は黙って見つめていた。
卓志いるべき場所が、ここじゃないのが悔しい。
引き留めたくても、それは叶わないと理解している。
「気を付けてね、卓志」
「オヤスミ、汐。また病院で」
私は無理やり作った笑顔で卓志を見送った。
玄関のドアが閉まると、急に孤独感に苛まれる。
私は1人ベッドに戻ると、まだ卓志の熱が残るシーツにそっと唇を押し当てた。