エリート外科医の甘い独占愛

でも、伊崎先生は動じることなく答えた。

「そのままの意味です。あなたに失望した」

ちょうどその時、病室へ行っていた先輩がナースステーションに戻って来てしまった。

「戻りました~。あれ、伊崎先生?今日当直でしたっけ」

最悪なタイミング

私と同じことを思ったのか、伊崎先生は小さく舌打ちすると、

「悪いけど、野島さんのこと少し借ります」

そういって私の腕を掴んだ。

「や、離してください」

「いいから、来てください」

先生は私を無理やりナースステーションの外に連れ出した。

消灯後の暗い廊下に響くのは、規則的な先生の靴音と、私の足音。

「どこに行くんですか、伊崎先生。ねえ、答えてください」

先生は何も言わない。

病棟の一番端まで来ると、伊崎先生は患者用の浴室のドアを開けた。


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