みだりな逢瀬-それぞれの刹那-
――これが私たち5人。大学時代から何も変わってない。……いや、年齢は着実に重ねてますけど。
「うっまーい」
「杏奈、言葉遣い悪すぎ」
今日も早速、ふたつ隣から注意を入れてくる祥子。
言葉遣いの悪さは私が上を行くものの、気の強さだけは多少劣っているらしい。
「秘書なんて片っ苦しいことしてるんだから、ココくらい許してよ」
ジョッキをグイッと傾け、黄金色の液体で喉を潤しながらにべもなく返す。
そう、こんな私だが実は秘書をしている。昔を知る人からすれば天変地異に等しいようだ。
「アンタが四六時中、猫かぶっていられるとは到底思えないけど」
「良いじゃん。これでも7年目に入ったんだし」
というか、ムダな気遣いで身を滅ぼしたくないのがポリシー。ゆえに猫かぶりなんてもってのほか。
そもそも猫かぶりなのは祥子だ。まあ、世渡り上手といえばそうなんだろうけど。
「それでよく6年半も会社に使って貰えたよね」
向かいでサラッと毒を吐いた陽香に同調するほのか。そんなふたりをひと睨みしておく。