LOVEless ~不倫~
反則だ。。。


そう思った。。。


これでも一生懸命
樹生を過去の思い出として
埋もれさせようと努力している私に
前触れも無く突然現れて心を掻き乱す囁き。



余裕あるその態度に
苛立ちと脱力感を覚えた私は



「行かない」


そう短く答えていた。


「えっ何で?
ランチ行けないぐらい忙しい?」


私の苦悩なんて知らない樹生は
お気楽だ。

仕事が大変で外で休憩取れない
ぐらいに思ってる。

「うん。無理。それどころじゃ無いし」

「そっかぁ。引き出物とか相談したかったのになー」

つまらなそうに呟く樹生の横顔には
ふてぶてしさすら漂っている。



この人、本気でそんな相談私にするつもりだったの?


忘れてた。


こんな奴だったって事実と
それに振り回された数年間を。
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