夜桜と朧月
咲希と多希、そして薫がいてくれれば、それで良いのだから。



その咲希達は、二人仲良くベッドでぐっすり就寝中。夜遅くまではしゃいでいたから、疲れたんだろう。



「指輪買ったしなぁ…」

「嘘、嘘。何もしなくていいよ。指輪貰ったし」

「えー…なんかあったっけ?」

なんかって何よ?



薫は立ち上がって、居間をうろうろし始めた。

ちょっと意地悪だっただろうか。


若干反省していたら、「旅行誌知らない?」などと薫に聞かれた。


「やーだ、嘘だよ。本当にどこにも行かないでいいから」

「んー……日帰りなら……」

「いいってば」



お金が勿体無いでしょ、そう言いながら私は洗濯物を畳み始めた。最近すっかり専業主婦染みてきたな、私。


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