奪取―[Berry's版]
 強引とも取れる方法で、喜多とベッドを共にした日から。絹江は喜多に度々浚われるようになっていた。それは毎日ではなかったが、3日と空くこともない。絹江が勤務しているビルの出入り口で、終業を今か今かと待ち構えているのだ。捕らえられてしまえばそれまでで。有無を言う暇も余裕もなく、最終的には喜多の自宅まで運ばれてしまう。だが、会えば必ず肌を重ねているのかと言えば、否だった。
 ただ食事を共にし、会話を楽しんで、並んで就寝する。珍しいことではなかった。

 喜多との関係を通し、絹江にはある変化があった。セックスに対する考え方である。以前のように、セックスをただ面倒な過程を経た快楽を求める行為とは思わなくなっていた。
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