奪取―[Berry's版]
秘書の言葉に、喜多は眉を上げた。パソコン画面の隅に表示されている時刻は、19時を過ぎている。確かに、本日は久しぶりに会社を19時には出る予定でいた。苦笑を浮かべ、喜多はカップをソーサーへ戻す。小さな音と共に。
「ありがとう。気付かなかった」
「本部長。差し出がましいようですが――あちらの仕事量を調整されてはいかがでしょうか?こちらで重要なプロジェクトを控えている時期は、仕事量がただでさえ増えます。その間だけでも。体調管理も、本部長には重要な業務かと」
秘書としては行過ぎた発言とも取れる言葉である。しかし、彼との付き合いは長い。咎めるつもりもなく、喜多は答える。肩を竦めて。
「ありがとう。気付かなかった」
「本部長。差し出がましいようですが――あちらの仕事量を調整されてはいかがでしょうか?こちらで重要なプロジェクトを控えている時期は、仕事量がただでさえ増えます。その間だけでも。体調管理も、本部長には重要な業務かと」
秘書としては行過ぎた発言とも取れる言葉である。しかし、彼との付き合いは長い。咎めるつもりもなく、喜多は答える。肩を竦めて。