奪取―[Berry's版]
愚痴を零すように、乱暴に言葉を吐き出し。春花は両手で髪をかき上げた。数年前と同じ、蜂蜜色の髪を。
春花の様を前に、喜多は思わず笑みを浮かべていた。
恐らく、春花は若手歌手に対し、プロデューサー以上の思いを抱いているのだろう。だが、年齢差からか、立場的なものからか。一歩を踏み出せずにいる。春花の胸に巣食う思いに、彼女が気付いているのか、敢えて気付かぬふりをしているのかは。判断に迷うところではあるが。以前の春花ならば。曖昧な態度を見せる、自身を裏切る可能性を孕んだ者を囲ったりしなかったはずだ。未練も見せず、切り捨てていたことだろう。
思わず、喜多の口から言葉が零れる。
「春花、変わったなあ」
春花の様を前に、喜多は思わず笑みを浮かべていた。
恐らく、春花は若手歌手に対し、プロデューサー以上の思いを抱いているのだろう。だが、年齢差からか、立場的なものからか。一歩を踏み出せずにいる。春花の胸に巣食う思いに、彼女が気付いているのか、敢えて気付かぬふりをしているのかは。判断に迷うところではあるが。以前の春花ならば。曖昧な態度を見せる、自身を裏切る可能性を孕んだ者を囲ったりしなかったはずだ。未練も見せず、切り捨てていたことだろう。
思わず、喜多の口から言葉が零れる。
「春花、変わったなあ」