奪取―[Berry's版]
 喜多の住む部屋は、見通しの良く、広いワンルームだ。遮るものは、大きな2本の柱だけ。玄関からリビングへ続く短い通路の両サイドは鏡張りになっており、靴の収納スペースがあった。そこを抜けると、右手にキッチンスペースがある。4人掛けのダイニングテーブルも設置してあり、十分な広さがあった。左手に行くと。2段ほどの階段が設けられ、低くなった場所に、ソファーやテレビの置かれたリビングがあった。間に大きな柱と書架を挟み、ベッドルームがある。先日、絹江が目を覚ましたベッドでもある。1人で寝るには十分すぎるほどの大きさのものだった。
 促されるまま。ソファーへ腰を下ろした絹江の前に、喜多は紅茶を置く。

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