奪取―[Berry's版]
「何故。お見合いの当日も、先日きぬちゃんが酔った日も。俺が手を出さなかったか。わかる?」
「……何故なの?」
「その場の雰囲気だとか、酔った勢いだからとか。翌日には忘れてしまうだなんてハプニングも。簡単だけれども、後々面倒になる逃げ道を残しておきたくなかったからだ」
「喜多くん……」
「今回のお見合いが、本当に偶然だと思ってる?」
「意図的だとでも言うの?」
喜多の手が、帯締めへと伸びる。いとも簡単に解かれたそれを、喜多は片手で弄んだ。緊張から、乾いた喉を潤おそうと嚥下した喉が、大きく鳴った。
先ほど見えた喜多の眸に宿る艶ある炎が、比べものにならないほど大きくはっきりと。絹江には感じられていた。
「……何故なの?」
「その場の雰囲気だとか、酔った勢いだからとか。翌日には忘れてしまうだなんてハプニングも。簡単だけれども、後々面倒になる逃げ道を残しておきたくなかったからだ」
「喜多くん……」
「今回のお見合いが、本当に偶然だと思ってる?」
「意図的だとでも言うの?」
喜多の手が、帯締めへと伸びる。いとも簡単に解かれたそれを、喜多は片手で弄んだ。緊張から、乾いた喉を潤おそうと嚥下した喉が、大きく鳴った。
先ほど見えた喜多の眸に宿る艶ある炎が、比べものにならないほど大きくはっきりと。絹江には感じられていた。