奪取―[Berry's版]
 喜多から受けた長い口づけで、酸欠になった脳の判断力が低下しただけのことかもしれないが。それならそれで構わない……と思ってしまったのだ。何も知らない、10代の生娘ではないのだから。
 拘束されている両腕を引き寄せ、喜多の首に掛ける。

「分かった。いいよ。喜多くんの好きにして」
「きぬちゃん」
「でも、この腕は解いて。初心者に拘束プレイだなんて求めないで。いい?あと、私がセックスを好きじゃないのは知ってるでしょう?もし、嫌だと、限界だと感じたら。途中でもベッドから這い出るわ。それは承知して」
「――わかったよ。きぬちゃんは覚悟したってことだね」

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