吸血鬼は淫らな舞台を見る
瑠諏は本棚に寄り添い、本の背表紙を指でなぞると適当に3冊抜き取ってペラペラと捲った。
「どれも新品同様で熟読している形跡はありませんね」
「大切に読んでいるんじゃないのか?」
「そうかもしれません」
瑠諏が感情のこもってない答え方をした。
「普通に戻ったな」
「普通?」
「由貴さんに質問しているとき、なにか焦っているような気がしたぞ」
「今回の事件はあまりお役に立てそうもないので、そんな風に見えたんじゃないですかね」
瑠諏が冗談っぽく言い返す。