あの頃…
第4章

彼女との約束

内科の朝はゆったりとした時間を刻む

毎朝行われるカンファレンス

その最中にホットコールが鳴って緊張が走る、なんてこと起こりはしない

ああ、でもその度にあの長身が冷静に対応していたっけか

今は少し懐かしいERでの記憶

一体自分たちの距離は今どのくらいなのだろう

近いのか遠いのか

距離が詰まったとしてその先にあるのはどんな関係だろう

あの漆黒の瞳が時折優しさを見せるのは、元指導医だからだけだろうか

「立花先生」

呼ばれてふと顔を上げると

「塔矢先生」

何でしょうか

「黒崎が直々に立花先生をご使命でね。ちょっと一緒に来てほしいんだけど大丈夫?」

「はい」

もちろんです

それが海斗のご使命ならば飛んで行かないわけにはいかない

満足そうに笑顔を見せる塔矢の後に続いて訪れたのは、例の倉庫のような病院の端

薄暗いそこに海斗、荒井の姿が先にあった

階段を下りる音で顔を上げたのは荒井だ
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