Bloom ─ブルーム─
使い慣れないケースは、さじ加減が難しい。

ちょど、出会ったばかりの長谷川大樹の扱いに戸惑うみたいに。

「里花ちゃんは?恋してマスか?」

うまく振れば振るほどに、慣れれば慣れるほどに、彼をいい具合に知れるだろうか?

全部を知りたい反面、知りたくないと思う自分もいる。

もっと都合よく調整できたらいいのに。

いいことだけ聞こえて、聞かなくていいことは蓋をしめて。

うまく扱えたらいいのに。

このままだと、知れば知るほど、苦しくて、止まらなくなりそうだ。

「してま……せん」

「そっかぁ。まだ若いもんね」

「って、たったの1つ違いじゃないですかっ」

「ははは。でも、里花ちゃんはきっといい恋するんだろうなー。俺みたいに不完全燃焼しそうにないもんね」

不完全燃焼しそうにない、か。

「意外に、恋には臆病だったりするんですよ?私」

「お?過去に不完全燃焼したことあるの?」

「過去っていうか……」

「ん?」

「例えば、驚かされて運ばれて聴いて見て帰って食べて話してるうちに始まりかけたこの気持ちを口に出せずにも持て余してる、とか」

お化けに驚かされて保健室に運ばれて、歌を聴いて一緒に花火を見て、自転車2人乗りで帰ってラーメン食べて、話してるうちに始まっちゃったっぽいんだけど。

どうしてくれるの?
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