Bloom ─ブルーム─
「よし!決めた」

そして、携帯を取り出すと、ポチポチとボタンを押して

「完了」

そう言って、携帯をまたポケットにしまった。

「電話しないの?」

「もう終わりにする。メモリー消しちゃった」

「え?か、彼女の?いいの?もう電話出来なくなっちゃいますよ?」

「いいんだ、もう。俺は、俺をちゃんと見てくれる人を好きになる。

──って、カッコいい事言って、本当はどっちにしても彼女とやり直すつもりは元々なかったんだ。

その友達って、健だからさ。健も中3で彼女と付き合って、結局卒業するときにふられてるんだけど。

でも、あいつの方が引きずってるから。あいつの前で「ナナ」って名前出すとすぐちっちゃくなるんだよ?」

「ナナさんっていう人だったの?」

「うん」

そう言えば、前に「ナナ」って長谷川大樹が呟いただけでギターはシュンとなってたっけ。

「FRISK、ちょーだい?」

結局渡せずにいたFRISK。握りしめてたケースを思い出し、今度は3粒彼の手のひらに落とした。

毎回気紛れに出てくる量。

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