Bloom ─ブルーム─
その扉は彼を一瞬で隠し、バタンッと大きな音をたてて閉まる。

窓ガラスがないから、その先がどうなってるのかわからない。

開けてみたいけど、すぐそこにあの人がいたら、言い訳のしようがないし。

でも気になる。

しばらく扉の前でウロウロしていた私は

「友達の恋の邪魔をしない為に逃げてきたけど、行き場がなくてここにいる。まさか扉の鍵が開いてるなんて知らなくて。でももしかして開いてたらいいなーと思っていちかばちか取っ手を回してみた」

という素晴らしい言い訳を考え付き、ついに取っ手に手を伸ばした。

その時。

私が触れる前になぜか取っ手が回り、扉が開いた。

「ひっ、ひゃぁっ!」

び、びびびビビッた……。

目の前には、私よりも驚いてる様子のボーカルの彼。

「え?なんで?」

なんで?……って……。

驚きすぎて、さっきの言い訳がすっとんだ。
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