Bloom ─ブルーム─
そして、健さんは、真っ赤になる私を見てニヤッとしながら、タオルで絵の具のついた顔をごしごし拭いた。
健さんの部屋にあるパイプベッドに私を座らせると、大樹先輩は
「大丈夫?」
少し反省したのか、真顔で私の顔を覗き込んでくる。
さっき歌ってたせいか、彼の胸元からほんのり汗の匂いがした。
「ごめん。調子に乗りすぎた」
けど、そう言いながら、また、プククッと吹き出す。
「反省してないですよね?」
「いや、してます!はい!すいませんっ」
「 笑ってますよね?」
なんだ、本当に楽しそうに笑えてる。
お腹の底から込み上げてる風な大樹先輩の笑い。
悔しいけど、気持ちが落ち着くと、そんな風に笑えてる大樹先輩にホッとしてしまっていた。
「あ、明宏、電話終わったっぽいよ」
窓から外を見ていた健さんが言った。
そう言えば、誰かと喧嘩中っぽかったけど。
仲直りしたのかな?
「明宏ね、女と大喧嘩してたんだよ?別れる方に千円!」
そう言って楽しそうに片手を上げる健さん。
「まだまだ。別れない方に千円!」
大樹先輩も手を上げる。
そして2人揃って私を見つめた。
え?私?
「じ、じゃあ別れない方に千円……」
って!
つい乗せられて言っちゃったけど、何なのこの人達?
何でも賭けにしちゃうんだから!
「ち、ちょっと待って下さい!何があったのかわかんないのに賭けられないですよ」
健さんの部屋にあるパイプベッドに私を座らせると、大樹先輩は
「大丈夫?」
少し反省したのか、真顔で私の顔を覗き込んでくる。
さっき歌ってたせいか、彼の胸元からほんのり汗の匂いがした。
「ごめん。調子に乗りすぎた」
けど、そう言いながら、また、プククッと吹き出す。
「反省してないですよね?」
「いや、してます!はい!すいませんっ」
「 笑ってますよね?」
なんだ、本当に楽しそうに笑えてる。
お腹の底から込み上げてる風な大樹先輩の笑い。
悔しいけど、気持ちが落ち着くと、そんな風に笑えてる大樹先輩にホッとしてしまっていた。
「あ、明宏、電話終わったっぽいよ」
窓から外を見ていた健さんが言った。
そう言えば、誰かと喧嘩中っぽかったけど。
仲直りしたのかな?
「明宏ね、女と大喧嘩してたんだよ?別れる方に千円!」
そう言って楽しそうに片手を上げる健さん。
「まだまだ。別れない方に千円!」
大樹先輩も手を上げる。
そして2人揃って私を見つめた。
え?私?
「じ、じゃあ別れない方に千円……」
って!
つい乗せられて言っちゃったけど、何なのこの人達?
何でも賭けにしちゃうんだから!
「ち、ちょっと待って下さい!何があったのかわかんないのに賭けられないですよ」