Bloom ─ブルーム─
突然降ってきた難題。

えっと。

あなたを見つけてつけてきました、なんて言えるわけもなく。

「私も、カラオケとか苦手で、テキトーに逃げてきたら……」

「じゃあ、お揃いだ?」

目の前でにっこり笑う彼。

ステージで脚光浴びてた彼。

白塗りで軽々と私を抱き上げた彼。

全部が別人みたいで、全部が夢の中の出来事みたい。

「はい、お揃いです」

けど、全部、本当で、全部この人なんだ。

「あの……」

「ん?何?」

「ここで、ちょっとだけ歌ってもらうのとかも、無理ですか?」

すごく図々しいお願いだってわかってる。

けど、あの彼の声をもしここで独り占めできるなら、図々しい奴だと嫌われてもいいとさえ思ってしまった。

「うーん……」

ちょっと困った表情の後

「じゃあ、昨日驚かせてしまったお詫びに、少しだけね?」

彼は了承してくれた。


< 22 / 315 >

この作品をシェア

pagetop