白紙撤回(仮
電車をおりると市ヶ谷は自宅には戻らず直接、工房に向かった。
昨日も見たがこの光景は慣れない。
何体もの首なし裸体人形は性欲よりホラーが勝った。
そんな作業場を横目に俺は隣のパソコンデスクに案内された。
そして市ヶ谷からホームページ製作に何のソフトを使っているのか聞き、初めてここのホームページを見た。
「履歴書見て驚いたよ。ウェブ関係の会社に勤めてたんだね。リンクを貼るのが面倒でなかなか更新出来なくて困ってたんだ」
「これってソフトにあるひな形使ってる?」
「そう。僕はホームページ製作は素人だからね。凝ったホームページを作るのは無理だよ。気に入ってないけど業者に頼む程でもないしね」
俺は無言で各コンテンツをクリックしていった。
名前の付けられた人形の写真付きの紹介から服を着ている状態、脱いだ状態。行為を匂わせるポージングの写真まで様々あった。
「ああ!……これが希美ちゃんか!」
「そう。君が死体と勘違いした娘だね」
「リアルだよなー。こんな顔してたのか……」
「色んなお客さんがいるから」
「……うわ。この写真、お前が撮ってるんだよな……」
「そう言う目的のものだからね。いちいち引かないでくれる?」
しばらくコンテンツを見ていると市ヶ谷は原稿ラフのようなものを俺に手渡した。
「昨日、適当に書いたんだけどこんな感じで更新出来る?」
「ああ……差し込む画像とかは?」
「昨日、撮ってデジカメに入ってる」
市ヶ谷はデスクの上にあるデジカメを指差した。
「じゃ、僕は向こうで作業してるけど任せて大丈夫?」
「オッケー。質問があったら聞くわ」
市ヶ谷が作業場に向かうと俺は椅子に腰かけてパソコンに向かった。
編集画面を見ると手直ししたい箇所がいくつかあったがとりあえずはページの更新を優先することにする。
しばらくするとFMラジオが流れ始めた。
作業中は集中するのでラジオで大体の時間を把握しているらしい。
コードを書いてる間、チラリと市ヶ谷を見たが大きな動きもなく何をしているのかよく見えなかった。
黙々と細かい作業をしているようだ。
ラジオが渋滞情報を流し終わった後、ようやく市ヶ谷が席を立った。
俺の横にきてパソコンを覗き込む。
時刻は午後三時を回っていた。
昨日も見たがこの光景は慣れない。
何体もの首なし裸体人形は性欲よりホラーが勝った。
そんな作業場を横目に俺は隣のパソコンデスクに案内された。
そして市ヶ谷からホームページ製作に何のソフトを使っているのか聞き、初めてここのホームページを見た。
「履歴書見て驚いたよ。ウェブ関係の会社に勤めてたんだね。リンクを貼るのが面倒でなかなか更新出来なくて困ってたんだ」
「これってソフトにあるひな形使ってる?」
「そう。僕はホームページ製作は素人だからね。凝ったホームページを作るのは無理だよ。気に入ってないけど業者に頼む程でもないしね」
俺は無言で各コンテンツをクリックしていった。
名前の付けられた人形の写真付きの紹介から服を着ている状態、脱いだ状態。行為を匂わせるポージングの写真まで様々あった。
「ああ!……これが希美ちゃんか!」
「そう。君が死体と勘違いした娘だね」
「リアルだよなー。こんな顔してたのか……」
「色んなお客さんがいるから」
「……うわ。この写真、お前が撮ってるんだよな……」
「そう言う目的のものだからね。いちいち引かないでくれる?」
しばらくコンテンツを見ていると市ヶ谷は原稿ラフのようなものを俺に手渡した。
「昨日、適当に書いたんだけどこんな感じで更新出来る?」
「ああ……差し込む画像とかは?」
「昨日、撮ってデジカメに入ってる」
市ヶ谷はデスクの上にあるデジカメを指差した。
「じゃ、僕は向こうで作業してるけど任せて大丈夫?」
「オッケー。質問があったら聞くわ」
市ヶ谷が作業場に向かうと俺は椅子に腰かけてパソコンに向かった。
編集画面を見ると手直ししたい箇所がいくつかあったがとりあえずはページの更新を優先することにする。
しばらくするとFMラジオが流れ始めた。
作業中は集中するのでラジオで大体の時間を把握しているらしい。
コードを書いてる間、チラリと市ヶ谷を見たが大きな動きもなく何をしているのかよく見えなかった。
黙々と細かい作業をしているようだ。
ラジオが渋滞情報を流し終わった後、ようやく市ヶ谷が席を立った。
俺の横にきてパソコンを覗き込む。
時刻は午後三時を回っていた。