時を超えた愛~新選組と私~【完】

「あー、ごめんごめん」


なんて全然悪いと思ってない言い方。


でも好きな人かー。


「安心して一緒に寝れそうな人なら、います…」


小さな声で言った。


「お?誰だー?オレかー?」


永倉が笑いながら聞く。


「うんと…。は、原田さん…」


ほとんど“原田”という言葉は聞こえなかったに違いない。


一瞬、静まり返った。


あ…やだ、この空気。


好きじゃない。


そう思ったあたしは咄嗟に


「ごめんなさい!原田さん迷惑ですよね!あの忘れてください!あたし寝られれば、どこでも大丈夫ですから!」


早口で一気に言った。


「あーぁ。左之ー。女の子に、あんなこと言わせていいのかー?」


永倉の言葉に


「はぁ、分かったよ。莉世、オレんとこ来い」


原田さんは渋々みたいだったけどあたしは心の中で喜んだ。






< 38 / 140 >

この作品をシェア

pagetop