時を超えた愛~新選組と私~【完】
「あー、ごめんごめん」
なんて全然悪いと思ってない言い方。
でも好きな人かー。
「安心して一緒に寝れそうな人なら、います…」
小さな声で言った。
「お?誰だー?オレかー?」
永倉が笑いながら聞く。
「うんと…。は、原田さん…」
ほとんど“原田”という言葉は聞こえなかったに違いない。
一瞬、静まり返った。
あ…やだ、この空気。
好きじゃない。
そう思ったあたしは咄嗟に
「ごめんなさい!原田さん迷惑ですよね!あの忘れてください!あたし寝られれば、どこでも大丈夫ですから!」
早口で一気に言った。
「あーぁ。左之ー。女の子に、あんなこと言わせていいのかー?」
永倉の言葉に
「はぁ、分かったよ。莉世、オレんとこ来い」
原田さんは渋々みたいだったけどあたしは心の中で喜んだ。