時を超えた愛~新選組と私~【完】

「あら、そうなの?お似合いなのに」


「いやいや、原田さんは、あたしなんかよりお姉さんとのほうが、お似合いですよ」


自分で自分を苦しめた。


言っててツライ。


「あら、そう?でも私はね永倉さんみたいな人が好きなのよ?」


なんとっ!!


こんなキレイな、お姉さんが永倉さんを!?


「じゃぁ今度、永倉さんとお団子食べに来ますね!」


「あら、楽しみにしてるわ」


“そうそう”と、お姉さんはそう言って、あたしの耳元に顔を近付け


「原田さん莉世ちゃんのこと大事に思ってるわよ」


「えっ!?」


思わず聞き返した。


「だって原田さんが女の子連れてきたの初めてだもの」


そう笑って他の、お客さんのところへ行ってしまった。


「なんの話?」


「秘密です…」


原田さんに何の話か聞かれたけど“秘密”と言って教えなかった。

< 64 / 140 >

この作品をシェア

pagetop