時を超えた愛~新選組と私~【完】

「あの、お話って何でしょうか…?」


「あぁ…莉世さんは未来から来たんだったよな?」


「…はい」


「ならオレたち新撰組のことも全て分かっている」


「…はい」


「新撰組は、どうなるのだ?」


「…………」


そんなことスラスラ言えるわけないじゃん。


「莉世。これから新撰組に何が起きる」


「あたしも有名な話しか分からないよ」


「それでもいい」


土方さんにそう言われ、あたしは口を開いた。


「元冶元年6月5日 池田屋事件が起きます」


「池田屋事件…?」


「うん、御所を焼き払って孝明天皇を長州まで連れ出そうと画策する志士たちが密会しているところを新撰組が池田屋を急襲するの。それが池田屋事件」

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