たなごころ―[Berry's版(改)]
不意に、箕浪の眸が開く。しかし、依然と。それはサングラスと言う壁越しで。笑実は思わず手を伸ばし、壁を取り除いた。箕浪も抵抗はしない。されるがままだ。現れた箕浪の視線と、笑実のそれが再び絡む。憂いを含んだ箕浪の眸。弱弱しくも、箕浪は口元を緩め笑みを浮かべる。
「病院へ通ったこともある。でも、駄目だった。ある程度は我慢できるが、一度意識してしまうと落ち着くまで時間がかかる。だから、会社へもまともに通えやしない。喜多が橋渡し役として会社に在籍してくれていなければ。御曹司としての俺は、存在していない」
「……努力、してるじゃないですか。何ヶ国語話せるんでしたっけ?興味があることは、とことん追求しないと気がすまないって言ってたじゃないですか」
「そうでもしないと、俺の存在意義なんてないだろう」
「らしくないですよ。いつもは子供みたいに、俺様のくせに」
「……そうだな……」
笑実の膝の上で、箕浪が体勢を変える。笑実の腰に腕を回し、腹部に顔を埋めるように。若干、驚きはしたものの。笑実は拒絶しなかった。箕浪の髪を梳き流して。子供をあやす様に。箕浪の背中を優しく、何度も叩いた。
「病院へ通ったこともある。でも、駄目だった。ある程度は我慢できるが、一度意識してしまうと落ち着くまで時間がかかる。だから、会社へもまともに通えやしない。喜多が橋渡し役として会社に在籍してくれていなければ。御曹司としての俺は、存在していない」
「……努力、してるじゃないですか。何ヶ国語話せるんでしたっけ?興味があることは、とことん追求しないと気がすまないって言ってたじゃないですか」
「そうでもしないと、俺の存在意義なんてないだろう」
「らしくないですよ。いつもは子供みたいに、俺様のくせに」
「……そうだな……」
笑実の膝の上で、箕浪が体勢を変える。笑実の腰に腕を回し、腹部に顔を埋めるように。若干、驚きはしたものの。笑実は拒絶しなかった。箕浪の髪を梳き流して。子供をあやす様に。箕浪の背中を優しく、何度も叩いた。