たなごころ―[Berry's版(改)]
何故か。笑実に寄り添うように。箕浪が隣に座っていること。それが大きな問題であった。更に、手は繋がれたままで。振り払おうと試みても、箕浪がその願いを受け入れてはくれなかった。お陰で、笑実が席を移動することも叶わない。
せっかくの景色を楽しみたいと思っていているのだが。隣にいる箕浪を意識してなのか。高いところに居るからなのか。いつもよりも早く鳴る自身の心音が、笑実の邪魔をしていた。
「笑実、知ってるか?」
「何をですか」
「告白するなら、高いところに居るときがいいって」
「え?」
窓から見える景色から視線を逸らし、振り返った笑実と。笑実を見つめる箕浪の視線が絡む。同時に。笑実の心臓が、一度大きく跳ねた。繋がれた笑実の手が、箕浪によって導かれ。箕浪の左胸に着地する。感じるのは、箕浪の鼓動。
「笑実。好きだ」
せっかくの景色を楽しみたいと思っていているのだが。隣にいる箕浪を意識してなのか。高いところに居るからなのか。いつもよりも早く鳴る自身の心音が、笑実の邪魔をしていた。
「笑実、知ってるか?」
「何をですか」
「告白するなら、高いところに居るときがいいって」
「え?」
窓から見える景色から視線を逸らし、振り返った笑実と。笑実を見つめる箕浪の視線が絡む。同時に。笑実の心臓が、一度大きく跳ねた。繋がれた笑実の手が、箕浪によって導かれ。箕浪の左胸に着地する。感じるのは、箕浪の鼓動。
「笑実。好きだ」