たなごころ―[Berry's版(改)]
ようやく、学と男性が振り返り、箕浪の存在を捉える。ふたりの視線が自分に集中したことを確認し、箕浪は満足げな表情で口を開いた。
「おふたりとも、ご苦労様です」
「なっ!なんだよ、あんた。ここで何をしてる!」
「名乗るほどの者ではございません」
座っていた男性が、慌ててノートパソコンを閉じようと手を掛ける。だが、それよりも早く。箕浪が男性の手を押さえた。腰を折り、男性と同じ程度まで視線を落として。パソコン画面に表示されている内容を、箕浪は確認する。眸を三日月に変え、満面の笑みを浮かべながら。
「いくら情報が欲しいからと言って、学生を唆すのは頂けませんよ。鼠淵製薬さん」
「違う、違うぞ。何を言ってるんだ、君は。これはだな、彼が、開発中の新薬のデータを買ってほしいと言ってきたんだ。私は何も知らない、ここに来ただけであって……」
「っな!あんた、何言ってるんだよ!」
「まあまあ。そこら辺の事情は、こちらで把握していますから。今更言い訳を考えなくとも大丈夫です。ご安心を」
「おふたりとも、ご苦労様です」
「なっ!なんだよ、あんた。ここで何をしてる!」
「名乗るほどの者ではございません」
座っていた男性が、慌ててノートパソコンを閉じようと手を掛ける。だが、それよりも早く。箕浪が男性の手を押さえた。腰を折り、男性と同じ程度まで視線を落として。パソコン画面に表示されている内容を、箕浪は確認する。眸を三日月に変え、満面の笑みを浮かべながら。
「いくら情報が欲しいからと言って、学生を唆すのは頂けませんよ。鼠淵製薬さん」
「違う、違うぞ。何を言ってるんだ、君は。これはだな、彼が、開発中の新薬のデータを買ってほしいと言ってきたんだ。私は何も知らない、ここに来ただけであって……」
「っな!あんた、何言ってるんだよ!」
「まあまあ。そこら辺の事情は、こちらで把握していますから。今更言い訳を考えなくとも大丈夫です。ご安心を」