たなごころ―[Berry's版(改)]
昨日のことがなければ、これ以上ないほど至福を感じられた愛おしい人の笑顔。一日しか経っていないというのに。今は寧ろ不快にすら感じてしまう。
学と向かい合う形で、笑実は椅子に腰を下ろした。
「何か飲む?実験の合間に抜け出したから、そんなに時間はないんだけれど」
「いらない。それよりも、どうしたの?急に呼び出して」
「つれないな、もしかして怒っている?……昨日のこと、謝りたくて」
笑実の心臓が小さく跳ねた。続けて始まった鼓動は、早鐘のように体中に鳴り響き始めた。零れる声が震えないよう。喉に力を込める。
「昨日のことって?」
「昨日のデートの約束。守れなかったから。ごめんな。」
眉を下げ、謝罪する学を、笑実は息を殺し見つめる。
「実は、急な実験を教授に頼まれてさ。先輩がひとりしかいないからって。断れなくてさ。先輩から聞いていた通り、博士課程に進むと休憩時間すらなくなるって本当だよ」
「……そうだったの」
「笑実の携帯電話に何度も連絡入れたんだぜ。昨日の夜。でも、電源切ってただろう?どうした?なにかあった?」
学と向かい合う形で、笑実は椅子に腰を下ろした。
「何か飲む?実験の合間に抜け出したから、そんなに時間はないんだけれど」
「いらない。それよりも、どうしたの?急に呼び出して」
「つれないな、もしかして怒っている?……昨日のこと、謝りたくて」
笑実の心臓が小さく跳ねた。続けて始まった鼓動は、早鐘のように体中に鳴り響き始めた。零れる声が震えないよう。喉に力を込める。
「昨日のことって?」
「昨日のデートの約束。守れなかったから。ごめんな。」
眉を下げ、謝罪する学を、笑実は息を殺し見つめる。
「実は、急な実験を教授に頼まれてさ。先輩がひとりしかいないからって。断れなくてさ。先輩から聞いていた通り、博士課程に進むと休憩時間すらなくなるって本当だよ」
「……そうだったの」
「笑実の携帯電話に何度も連絡入れたんだぜ。昨日の夜。でも、電源切ってただろう?どうした?なにかあった?」