狂奏曲~コンチェルト~

「つ、翼君っ!?」
「しばらく……このままで……」
「…………」

 驚いたような声を上げるかなめだったが、抵抗はしなかった。

「翼君、私でよければ、いつでも聞いてあげるよ」

 力いっぱい、腕の中のぬくもりを抱きしめる。
 涙が出そうになった。

「辛かったね……」

 かなめが言葉を発するたびに、心地よくその身体が振動する。
 このぬくもりを手放したくない。
 でも、それは叶わない。

「翼君……」
「ごめん」

 俺は、ゆっくりとかなめを解放した。
 かなめは首を横に振った。

「いいんだよ」
「本当に、ごめん」

 頭を抱えた俺だったが、かなめが俺の手をとった。

「私は、翼君の力になれないかな?」
「……え」
「私は、翼君を癒せないかな?」
「っ……」

 かなめは、真剣な光をその目に宿して、俺を見ていた。

 かなめ、それはいったい、どういう意味なんだ?




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