狂奏曲~コンチェルト~
俺は怖かった。
かなめの行動が、どんどん過去と重なっていくことが。
俺の行動が、どんどん過去に舞い戻りつつあることが。
俺は自分の右手を見つめた。
ことあるごとにかなめに触れてしまうこの手。
つぶしてしまいたいと思った。
俺にはかなめに触れる資格もないというのに。
恐怖もさることながら、俺はかなめの心がわからなかった。
ことあるごとに俺にかまうかなめ。
かなめの言動がどんどん過去に重なっていく。
かなめはかなめで変わっていないと言われればそれまでなのかもしれない。
それでも、どうして俺にそこまでかまう?
俺はかなめにとって、最近出会ったばかりの男だろうに。
俺は、手のひらに爪が食い込むくらいこぶしを握り締めた。
自制していても、抑えられない欲望。
理解していても、堪えられない感情。
恐怖していても、やめられない行動。
様々な思考がぐるぐると俺を責めていく。
俺の灰色の世界、そこに確かに輝くかなめという光。
手に入れたいと欲する心と、駄目だと制止する理性。
俺が一緒にいることで、かなめは過去を思い出すのではないかという恐怖が、俺を苛んでいた。