狂奏曲~コンチェルト~

「別れたいの」
「なん……で……?」

 目を見開いて、呆然としたように言う新。
 私は唇をかみ締めて、

「新のこと、私大好きだよ。でもね……他に好きな人ができたの」
「かなめ……」
「ごめんなさい……っ」

 私は頭を下げた。

「いつの間にか、その人のことが好きで好きでたまらなくなってたの……新がいるのに、私……」
「顔、上げろよ」

 新の言葉に、私は顔を上げた。

「それってさ、二階堂さん?」
「っ……」

 身体をびくりと震わせて黙った私に、新はやっぱりと息を吐いた。

「俺な、かなめの心が離れていってるのに気づいてたよ」
「新……」
「他の男に取られるとか、悔しいけどさ……」
「ごめんなさい……っ」

 新は哀しそうに顔を歪めて、

「謝るなよ。俺がかなめの心を掴んでなかったのが悪いんだから……」
「ひくっ……」

 流れ出る涙は止まらなくて、新は仕方ないなというふうにずっと私の肩を叩いてくれていた。


< 125 / 301 >

この作品をシェア

pagetop