狂奏曲~コンチェルト~

「初めて会ったときから、ずっと好きだった」

 幼馴染みとして産まれてきたお前に出逢ったその日から、俺はお前だけしか目に入らなかったんだ。

「翼君……?」

 そっと、かなめを解放すると、かなめは驚いたように俺を見ていた。

「翼君が、私を好き……?」

 俺はかなめの頬に手を伸ばした。

「ずっと。かなめ以外の誰も見てこなかった」
「……え、翼君の好きな人は……?」
「かなめに会ったその日から、俺はかなめのことしか考えてない」

 嘘は言っていない。でも、かなめには真実は伝わらないだろう。
 そして、真実が伝わることは、俺の本意ではないんだ。

 かなめは呆然として、

「で、でも、翼君は好きな人のせいで色が……」

 かなめの言葉に、俺はきょとんとする。

「それは、どういう……?」
「え、だって、翼君が色がわからなくなったのは、好きな人を想ってじゃなかったの? 想いが伝わらないからじゃ……?」

 かなめ、お前はそう思っていたのか?

 俺は、首を横に振った。
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