狂奏曲~コンチェルト~

「これは」

 俺は白く染まった髪に触れ、

「俺が犯した罪の証なんだ」

 かなめ、お前を犯してしまったという、一生許されることのない罪の証なんだ。
 お前は知らなくていい。俺だけが背負えばいい。
 だから、お願いだから、思い出さないでくれ。
 俺達の、変えられない哀しい過去の傷を――。

「つ……み?」
「かなめは知らなくていい。これは、俺だけが背負えばいいものなんだ」

 かなめははっと息を呑んで、眉を怒らせた。

「そんなこと言わないで」
「かなめ?」
「私は、翼君に笑って欲しいの! 一人で抱え込むなんて……」

 自分のことのように落ち込んでしまうかなめの頭を、俺はそっと撫でた。

「俺は、かなめが近くで笑ってくれるだけで救われる」

 その言葉に嘘はないから。
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