狂奏曲~コンチェルト~
手を繋いで、ショーの会場を後にする。
その途中で売店を見つけた。
入りたそうなかなめの表情を見逃さずに、俺はかなめの手を引いてぬいぐるみが並んでいる売店に入った。
「なにか、欲しいものとかある?」
「えっ」
かなめは少し困ったように、
「翼君が買わないのなら言う」
「なんだそれ」
かなめは口を尖らせて、
「だって、今日は翼君へのお礼なのに、私が欲しいもの言ったら買ってくれそうなんだもん」
俺はふっと笑って、かなめの耳元に口を寄せると、
「今日、かなめが俺のものになってくれたから、それでお礼はチャラだ」
案の定、恥ずかしそうに俯くかなめは可愛い。
本当に、かなめが俺のものになったのだろうか?
これは本当に現実なのか?
だけど、この手の中に在る温もりは本物だ。