狂奏曲~コンチェルト~

「……夢みたいだ」
「え?」

 涙が出そうになる。
 かなめが、俺のものになった。
 未だに現実感が伴わない。

「本当に、俺でいいのか?」

 俺のことを好きになったから、彼氏と別れた。
 かなめはそう言ったはずだ。

「翼君といるとね、凄く暖かい気持ちになれるの」

 かなめは照れたようにはにかんで、

「凄く、懐かしい気持ちになる。飾らない私のまま、翼君とは一緒にいられる」

 愛おしくて、たまらない君を、このまま連れ去りたい。
 過去が届かない場所へと――。

 ふと、俺の視界にきらきらと輝く一角が目に入った。

「かなめ、記念に何か一緒に買おう?」
「え」
「おそろいの何かとか、欲しくないか?」

 かなめは、笑顔で肯いた。

 昔の俺なら死んでも言わなかったような台詞も、今なら惜しげもなく言える。
 かなめを笑顔にするためなら、俺は何でもできる。

 俺達はストラップが飾られている回転棚を覗き込んだ。
 色のわからない俺の目にもきらきらと輝いて見えるストラップ達。
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