狂奏曲~コンチェルト~

「また頭痛か?」
「うん……薬飲んでるんだけどな」

 俺は、かなめの頭を撫でてやる。

 ときどき、頭痛を訴えるかなめ。
 その頭痛の後、決まってかなめは考えるような顔になる。
 何かが気になっているような、そんな顔。
 俺はそれが、気になっていた。

「あんまり、無理すんな」

 そう言ってかなめを後ろから抱きしめ、その首元に顔をうずめた。

「翼ってば、くすぐったい」

 そう言って俺の髪を撫でるかなめが、俺を見た。
 俺は口端をあげて、その唇に触れた。

 幸せだと思う。
 このまま、時間が止まればいい。
 過去も未来もなく、このまま。
 不安など忘れ、ただこうやって一緒に。

 色など見えなくてもいい、ただかなめさえいれば十分だ。

「翼?」

 声をかけられ、俺はびくりと身体を震わせた。

「翼は、何がそんなに不安なの?」

 静かにそう尋ねるかなめ。
 それが、全てをわかっているようで、責められているような気分になる。
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