狂奏曲~コンチェルト~
「え……」
だけど、それは自分自身が抱える罪の意識に過ぎないんだ。
かなめは、何も覚えてはいないんだから。
「私は、翼を置いてったりしないから、安心してよ」
そうやって笑うかなめに、何もかもを打ち明けて謝りたくなる。
「大丈夫」
「そう?」
かなめ、本当にごめん。
俺に出会わなかったら、かなめは幸せになれたのに。
俺なんかに出会わなかったら、かなめはもっと違う人生を歩めたのに。
「私、翼に出会えてよかった」
そうやってかなめが笑うから、俺は何度もかなめに恋をするんだ。
そうやって俺を癒すから、俺は自分の罪を忘れようと思ってしまうんだ。
「俺も、かなめに出会えてよかったって思ってる」
かなめに出会っていなかったら、俺は……。
「それじゃあ、そろそろ授業始まるから」
「わかった」
立ち上がって、俺の頬に触れていくかなめ。
それに笑顔で答えて、俺はベンチに横になった。