狂奏曲~コンチェルト~
「かなめっ?」
「だ、大丈夫……」
冷や汗が出た。翼が私の体を支えてくれる。
「大丈夫か?」
「うん……いつもの頭痛」
「そうか……」
そう、いつもの頭痛。
映像の片鱗が頭をよぎるもの。
映像の中の、女の子。
あれは……誰?
私が眺めていたあの背中。
あの男の子は、お兄ちゃん?
あの女の子が私に向けていた敵意に満ちた視線が、冴島さんが私に向けていたものに似ていたような気がして、気持ちが悪かった。
「かなめ?」
「うん?」
翼がそっと私の手を握る。
「帰ろう?」
「うん」
「送っていく」
私達はデートがてらに歩いて帰ることにした。