狂奏曲~コンチェルト~

「どうぞ」
「お邪魔します」

 冗談で翼が紳士のエスコートみたいに、部屋に招きいれるから、私は笑いながら彼の部屋に入った。

「わ、片付いてる……っていうか、ものがないよね」
「まあ、寝れればそれでいいと思うし」
「えー」

 余計な荷物のない部屋には、ソファと本棚、寝室のほうにはベッドがあるくらい。

「面白くないだろ、こんなとこきても」

 ソファに座って苦笑する翼。

「ねぇ、あれないの?」
「ん?」
「卒業アルバムとか!」

 翼は首を横に振って、

「それは実家のほうにある」
「そっか」

 私は翼の隣に座った。

「昔の翼見てみたかったなぁ」
「……今と大して変わらない」
「えー?」

 私は翼の髪に触る。
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