狂奏曲~コンチェルト~

 かなめ、お前は俺の罪を許してくれるか?
 いや、訊く事もおこがましい。
 何もかもを思い出したお前は、二度とその笑顔を向けてくれることなんてないんだろうな。
 お願いだから、どうか思い出さないでくれ。
 俺達のおぞましい過去の傷を、どうか思い出さないでくれ。

「二階堂さんは、次の授業は……?」

 日野さんが尋ねてきた。

「いや、今日はもうない」
「そっか。いいな」
「こら、香織、サボりたいみたいなこと言わないの」

 かなめが日野さんに言う。
 その頃には、三人とも食べ終わっていた。

「それじゃあ」

 俺は立ち上がった。

「あ、またね!」

 またね、とそう言ってくれるかなめが、天使のように見えた。


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