狂奏曲~コンチェルト~
俺の手が、勝手にかなめの頬に触れていた。
「かなめ……」
「翼君?」
戸惑ったように首をかしげたかなめを見て、はっとして手を引いた。
そのときだった。
「っ……」
かなめが突然顔を歪めて、その場にしゃがみこんだ。
「かなめっ?」
かなめは頭を抱えている。
そういえばこんなことが、この前の日曜にもあった。
「大丈夫か?」
俺はそっとかなめの身体を支えて、立ち上がらせてやった。
「ご、ごめんね。最近、こうやって突然頭痛に襲われてて……」
眉尻を下げ、そう言うかなめ。
「病院で見てもらったほうがいいんじゃないか? 有紀は知ってるのか?」
「ううん、お兄ちゃんは知らない。心配かけたくないよ……」
俺をつかんでいる腕が、かすかに震えていた。
俺は安心させるように、その背中をさすってやった。