狂奏曲~コンチェルト~

「ううん、だって、翼君に好きな人がいるって、意外だったから」
「意外かな?」

 お前のことだけを想い続けている俺は、おかしいかな。

「ずっと、ずっと好きなんだ。だけど、その人は俺のことを見てくれない」
「え……」

 かなめがはっと俺を見た。
 俺は、自嘲気味に微笑んだ。

「その人は俺を見てはくれないけど、愛おしくて、仕方がない」

 まっすぐと、かなめの目を捉えて、そう言った。
 きっと、自分のことだなんて予想だにしていないんだろう。

 しばらく見詰め合ったまま、時間が止まったような感じだった。
 驚いたように俺を見るかなめと、じっとかなめを見つめる俺。
 しばらくして、かなめが口を開いた。

「翼君にそんなふうに想われて、その人は幸せだね」

 そうやって笑うかなめを見て、泣きそうになった。

 お前のことなんだ。
 今すぐに抱きしめたいくらい好きなんだ。
 かなめ、お前のことが欲しくてたまらない。
 ずっと、大好きなんだ。
 愛してるんだ。
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